昨日、フルロード第4号の取材で日本トラックレーシング協会の石川昌和会長(港自工社長)に会ってきました。
日本トラックレーシング協会というのは、ヨーロッパや南米で盛んに行なわれているトラクタヘッドによるレースを日本でも開催しようとしている団体です。でも、今から14~15年前にはそんな機運も多少盛り上がったのですが、現在では実質的に言い出しっぺの石川さんただ一人の協会になっています。
この日本トラックレーシング協会は、百聞は一見に如かずですから、レーシングトラックも保有しています。日産ディーゼルのトラクタヘッドをベースにした2台のレーシングトラックは、モーターショーなどにも登場したことがあるのでご存じの人も多いはず。また、ヨーロッパのレーシングトラックも4台輸入し、かつてはスーパーGTの前座のエキシビションレースとして、茂木や富士や鈴鹿を走ったことがあります。
しかし、その6台のレーシングトラックは、もう10年近く豊橋市明海の港自工の工場の片隅で眠ったまま。だいぶ傷んできてしまったし、仕事の邪魔にもなってきているので、石川さんも断腸の思いでスクラップにする決心をしました。おそらく来月には解体されてしまう運命です。ここに掲げた画像が最後の雄姿になるはず。
レーストラックは、上から順に日産ディーゼルCK-46BT、日産ディーゼルCKA-45C、1978ERF、レイランド・ロードトレイン、フォード・ルイスビルLN9000、ボルボ・ホワイトロードボス。
ヨーロッパ各国で約10戦が開かれ、10万人以上の観客を集めるトラックレースは、その観客の大部分がトラックドライバーで、トラックメーカーも大いにバックアップして盛り上げているそう。それに引き換え、レーシングトラックをはじめ、日本のトラック文化は無いに等しいほど土壌が薄く、世間もまったく関心がない…。そう語る石川さんは実に寂しそうでした。 (キャップ)