「ドイツ・トラック紀行」と言いながら、「IAA」のことばかり書いてきたので、この辺でちょっとドイツの話を……。ドイツの人口は約8200万人。国土面積は日本よりやや狭いけれど、日本の国土の約7割が山地であるに対して、ドイツはそのほとんどが平野部である。そのため工業国といいつつも、農地や牧場を含め緑が多く、羨ましくなるほど広々としている。また、地方分権の歴史が長いため、東京のように一極集中していないことも好印象で、都市と都市を結ぶ道路も走りやすい。
大型トラックは8割方がトラクタで、牽引するカーゴ系のセミトレーラは、ほとんどが3軸低床タイプのカーテンサイダーである。ちなみに現地のトラック関係者に、「日本では単車のアルミウイングが主流なんだよ」と伝えたのだが、ウイングボディ自体をなかなか理解してもらえず、仕方なく絵を描いて説明したところ、「イッツ・クレージー!」の一言であった。単車が主体であることもそうだが、(アルミといえども)重いし、(カーテンサイダーに比べ)価格も高いし、構造が複雑なアルミウイングを使うなんて信じられないのだろう。日本の常識が、少なくともヨーロッパでは非常識に映るようで、「なるほど」と納得してしまった。