ドイツ・トラック紀行 その3

ドイツ・トラック紀行 その3

ドイツと日本との時差は7時間。サマータイムで1時間ほど早くなっていますが、日本が午後7時だったら、こちらは正午という計算になります。ちなみにハノーバーは好天続きで、広い会場を駆けずり回って取材すると、汗びっしょりになります。

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(写真左:MANブースの様子/写真右:MANのコンセプトトラック)


回の『IAA』は、ユーロ5とユーロ6の端境期にあり、トラックに関して言えば、特に目立った新型車はなく、アテーゴやルノー・マグナムのようなフェイス
リフト的なマイナーチェンジやMANやIVECOのようなコンセプトトラックでお茶を濁している感があります。その中でも話題を集めているのが、キャン
ターやルノーが出品した小型電気トラックですが、ゼロエミッションもさることながら、内燃機関を搭載するよりランニングコストが安くなるメリットに着目し
ての出品で、メーカーも認めているように、ディーゼル車やハイブリッドトラックのような汎用性はなく、限定的な使用にとどまるなら『使える』というレベル
で、『発売がいつになるか?』を云々するトラックではないでしょう。

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(写真左:キャンターE-CELL/写真右:アテーゴ・ハイブリッド)

それより注目されるのが、やはり中・大型のハイブリッドトラックの底
流で、日本では小型トラックのイメージが強いハイブリッドですが、こちらではゴミ収集車など都市内で使用される中・大型車が多いこともあり、燃料経済性の
観点から、ハイブリッド化がかなり急がれているような印象を受けました。2年前の『IAA』では、各社が競って中・大型のハイブリッドトラックを出品し、
まるでハイブリッドトラックショーのような有様で、『ヨーロッパは本気なのか?』と思ったものでしたが、今回は話題性より実用性に重きが置かれた展示が多
く、そのことがまさに『ヨーロッパは本気だ!』と確信させます。ちなみに、ダイムラー・トラックグループの首脳は、『(ハイブリッド車で先行している)日
野自動車の技術は素晴らしいし、敬意を払っているが、現在では我々のハイブリッド技術の方が間違いなく優秀である』と断言。さらにダイムラー・トラックグ
ループのスケールメリットを強調しました。世界のトラックのハイブリッド化の底流が、いま本流になろうとしている、そのことをまざまざと感じていま
す。(キャップ)

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