BEV中型トラックにも新モデル
いっぽう、BEV中型トラックについても同じく11月18日、モデルレンジの拡大が発表された。「Eテック D12」及び「Eテック D14」だ。D12はホームマーケットとなるフランス市場向け、D14はその他の欧州市場向けで、同じデザインと性能を共有しつつ、それぞれの市場に合わせたニーズを満たす。
コンパクトで機敏な両車は、ルノーの中型BEVレンジの中でGVW12/14トンを担い、都心部の様々な用途に適している。2.39メートル幅のシャシーと、3.8メートルのホイールベース、回転半径7.3メートル未満など、D12とD14はルノーのBEV中型トラックの中で最もコンパクトで機動力に優れた車両となる。
積載量はD12で5.6トン、D14で6.7トンとなり、積載能力とアジリティの両立を図った。
こちらはLFPバッテリーを採用しており、総容量は176kWhとなる。1度の充電で航続可能な距離は共に220kmを実現している。これは市街地での一日の配送業務を充分にカバーできる距離だといい、43kWの車載チャージャーにより広く普及している交流充電ステーションでも充電が可能だ。
また、ドライバーやフリート管理者の日常業務を支援する一連のサービスが組み込まれており、充電データの遠隔監視や、標準搭載のルート計画アプリ、充電サイクルを最適化するオプションなどがある。
新モデルはフランスのブランヴィル=シュル=オルヌ工場で製造され、これで同社のBEV中型トラックはGVWで12,14,16,19,26トンモデルが展開されることになる。ルノーは350kgのカーゴバイクから50トンの大型トラクタまで、欧州商用車メーカーでも最も包括的な電動モビリティを揃えている。
小型商用車も強化
さらに、同日付で小型商用車の強化も発表されている。ルノー・トラックス「マスター・レッドエディション」に新規設定される「マスター・レッドエディション・プロパルジョン」(以下、プロパルジョン)および、「マスター・レッドエディション・オフロード」(以下、オフロード)だ。
建設業界のプロフェッショナル向けだというこれらの車両は、堅牢性、汎用性、そして幅広い作業条件に適応する。新モデルのうち、プロパルジョンは安定性とけん引力、オフロードは機動力と快適性を重視した。2つのバージョンによりお互いを補完するというアプローチで、建設業界の多様な輸送ニーズに応える。
「プロパルジョン」は安定性を高め、車両総重量(GVW)4.5トンを確保するため後輪駆動を採用している。狭い建設現場や市街地での取り回しも容易だ。
バン型車は最大17立方メートルの積載容量を備え、長距離を走る場合はシングルタイヤ、よりトラクション/けん引力が求められる用途ではダブルタイヤを用意する(キャブシャシーはダブルのみ)。
他にダンプや冷蔵ボックスを始め様々な架装に対応し、最大7人乗りのクルーキャブも用意する。オプションのPTOにより架装物を駆動することも可能だ。滑りやすい路面でトラクションを確保するためリアディファレンシャルロックを備える。
いっぽう「オフロード」は前輪駆動モデルとなり、バン、キャブシャシー、クルーキャブシャシーを用意。通常の前輪駆動車と後輪駆動モデルの中間に位置する選択肢になるという。
リアは強化サスペンションを標準装備し、満載時でも前後のバランスを取ることで優れたハンドリング制御を実現した。マニュアルトランスミッションが標準だが、9段オートマチックも選択可能で、こちらには純電動バージョンも用意されるようだ。
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