これぞアメリカントラックの真髄! 通好みのウェスタンスターに新フラッグシップ爆誕!

これぞアメリカントラックの真髄! 通好みのウェスタンスターに新フラッグシップ爆誕!

 米国の大手トラックメーカーでダイムラー・トラックグループのウェスタンスターは、2022年8月2日、長距離輸送用途などのオンハイウェイ系フラッグシップトラックの刷新を発表した。

 現行の「5700XE」に代わり導入されるのは「57X」で、これまでボケーショナル用途(建設用トラックや特装車など)で発表されていた新世代トラック「Xシリーズ」のラインナップに長距離用トラックが加わった。

 同じグループに属するデトロイト製エンジンや空力性能の向上により、約6%の燃費向上を謳う。トラックも電動化がトレンドとなる中で、あえてディーゼル車を全面刷新した背景には、ドライバーに信頼されるトラックを作るというウェスタンスターのDNAがある。

文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/Westarn Star・Daimler Truck North America

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最先端のオンハイウェイ車両

 米国のトラックメーカーでダイムラー・トラック・ノース・アメリカ(以下、DTNA、ドイツのダイムラー・トラックグループ)に属するウェスタンスターは8月2日、オンハイウェイ系の新たなフラッグシップとなる大型トラック「57X」を発表した。

 ウェスタンスターは堅牢制、生産性、効率性などを強化した新世代のトラックを「Xシリーズ」と称している。同シリーズではこれまで「47X」と「49X」が発表されていたが、いずれも米国で「ボケーショナル」と呼ばれる建設・特装系のトラックだった。

 現行の5700XEを57Xに刷新することでXシリーズのラインナップは長距離輸送のオンハイウェイ系トラックまで広がった。

 5700XEは「究極の効率」を意味する”XE = Extreme Efficiency”を冠して2014年に登場。ただ、DTNAは北米のオンハイウェイ市場でトップシェアのフレイトライナーを傘下に持つことなどから、ウェスタンスターをボケーショナルブランドとする方針も示していた。

 Xシリーズでボケーショナルトラックが先行したのはこうした事情によるものだが、DTNAの上級副社長でセールス・マーケティングを担当するデイビッド・カーソン氏は「57X」によるオンハイウェイ系の強化について次のように話している。

 「57Xの追加によりウェスタンスターの『Xシリーズ』はレベルが一つ上がったといえるでしょう。47Xと49Xはボケーショナル・トラックでしたが、57Xは(長距離輸送を行なっている)オーナー・オペレータや小規模事業者のために考えられ、設計され、作られています。

 このトラックがもたらすのは、安全性、効率性、耐久性、そしてウェスタンスターの威信です」。

グループのメリットを活かした効率向上

 57Xはウェスタンスター史上最も燃費に優れたトラックだ。実績のある信頼性はそのままに、5700XEと比較して5.8%の燃費向上を果たした。

 エンジンはDTNAグループに属するデトロイト製の3機種(DD13 Gen5、DD15 Gen5、およびDD16)からの選択となる。600hpのDD16型(排気量15.7L)はカナダなど重量制限の緩い地域向けで、DD13(同12.8L)・DD15(同14.8L)が主力となる。

 オーナーがどのエンジンを選択したとしても最高のパフォーマンスと燃費を約束するとしたいっぽうで、アメリカントラックの特徴でもあった社外製のエンジン(カミンズなど)は選択できなくなっている。

 キャブは、デイキャブ/スリーパーキャブと60インチ(152cm)/72インチ(183cm)ルーフの組み合わせだ。従来車にあった82インチスリーパーは無く、ルーフが低くなったものの、室内空間は約2割拡大した。

 これによりキャブ重量をおよそ1000ポンド(450kg)軽量化したほか、投影面積に依存する空気抵抗を低減することで燃費向上にも貢献する。

 トランスミッションとしては、同じくデトロイト製のDT12型AMTが標準。同機はギアシフトの効率向上と摩耗の低減に加えて、地形の先読みにより路面の状況に合わせるなどの制御を盛り込んだ。

 10、13、18段マニュアルトランスミッションも用意するが、後述の安全機能「デトロイト・アシュアランス5.0」の一部機能にはAMTが必須となり、マニュアル車では利用できない。

 他にフロントのステアリングアクスルやリアのタンデムアクスルなどもデトロイト製のコンポーネントとなっており、世界最大規模のダイムラーグループに属するメリットを最大限に活用している。

 トラックの走行速度が速い米国では、燃費向上のためにはパワートレーンの効率化に加えて、キャブとシャシの空力性能の改善が欠かせない。

 57Xにおいても、例えば流線形のフードやエアダクト付バンパー、デイキャブのデフレクタ、スリーパーキャブのサイドエクステンダー、駆動軸のフェアリングなどのパーツにより空力性能を向上している。

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