日本に2台の超希少車!! ベンツの重量物運搬トラクタに迫る

■許容GCW250tのモンスター ライト建設のアロクスSLT

ライト建設が導入したメルセデス・ベンツ・アロクスSLT(8×6)。もういっぽうの8×4はこれより背の高いキャブを搭載する
ライト建設が導入したメルセデス・ベンツ・アロクスSLT(8×6)。もういっぽうの8×4はこれより背の高いキャブを搭載する

 ライト建設では、長年主力として使ってきたメルセデス・ベンツの重量物運搬用トラクタ「SKシリーズ」の老朽化に伴って新たな重量物運搬用トラクタの導入を検討。その結果、2016年にメルセデス・ベンツの重量物運搬用トラクタ「アロクスSLT」を導入した。

 同車両は、2013年発売の特装モデル「アロクス」のシャシー、エンジン、トランスミッションなどを重量物輸送向けにチューニングしたクルマ。SLTは「Schwer Last Transporter」の頭文字で、直訳すると「重量物運搬車両」となる。

ライト建設が従来まで主力トラクタとして運用してきたメルセデス・ベンツ・SKシリーズ(6×4)。見た目こそ古いが現行車に引けを取らない牽引力を誇る
ライト建設が従来まで主力トラクタとして運用してきたメルセデス・ベンツ・SKシリーズ(6×4)。見た目こそ古いが現行車に引けを取らない牽引力を誇る

 ちなみに、メルセデス・ベンツのトラック部門は2000年代に日本市場から撤退。ライト建設が導入した2台のアロクスSLTは左ハンドルの海外仕様で、2台とも前2軸ステア機能付きの4軸車。駆動方式は8×4と8×6の2タイプである。

国産メーカーのトラクタには設定のない4軸車は貴重な存在。写真は8×6で、前2軸はシングルタイヤでステア機能付き
国産メーカーのトラクタには設定のない4軸車は貴重な存在。写真は8×6で、前2軸はシングルタイヤでステア機能付き

 アロクスSLTがスゴイのは、許容GCWが250tもあるところ。しかも250tはカタログ値で、仕様によっては500tも可能というから驚きだ! 第5輪荷重はカタログに記載されていないが、トラクタ単体のGVW(車重+第5輪荷重)は41tとなっている。

■最高出力630PSと最大トルク3000Nmを発揮! 重量物運搬用トラクタとして充実の装備

運転席は通常のアロクスと基本的に同じ。AMTシフト操作はステアリングコラム右側のレバーで行なう
運転席は通常のアロクスと基本的に同じ。AMTシフト操作はステアリングコラム右側のレバーで行なう

 エンジンは最高出力460kW(約630PS)/1600rpmと最大トルク3000Nm(約305kgm)/1100rpmを誇る直列6気筒15.6リッターのOM473型を搭載。トランスミッションは16段AMT「パワーシフト3」にフォイト社製「ターボ・リターダ・クラッチ」を組み合わせたものだ。

 ターボ・リターダ・クラッチは、流体クラッチと摩擦クラッチを組み合わせたクラッチシステムで、発進時〜低速走行時は流体クラッチにより摩擦クラッチを摩耗させずにスムーズなトルク伝達と超低速走行(クリーピング)を実現。通常走行時は摩擦クラッチを繋いでトルクをダイレクトに伝達する。

 また、減速時にはタービンホイールを固定し、インペラとの間に流動抵抗を発生させることで減速トルクをもたらすリターダ(補助ブレーキ)としても機能。発進〜超低速〜通常走行〜減速の全域において重量物輸送をサポートする。

キャブバックには駆動用オイル冷却装置などをまとめて配置する
キャブバックには駆動用オイル冷却装置などをまとめて配置する

 キャブバックの大きな耳たぶのようなカバーはクーリングシステム用。ターボ・リターダ・クラッチ用のオイル冷却装置や油圧システム、作動油タンク、燃料タンクなどをまとめて配置したもので、このほかにも特殊な連結装置などを多数搭載する。

 ちなみにキャブカラーは当初2台とも純正のメタリックグレーだったが、昨年8×4がナンバー取得に合わせてライト建設カラーのイエローに塗装された。現時点でド派手なイエローのアロクスSLTは日本にたったの1台しか存在しない超レア車だけに、見かけたらラッキーだ。

【画像ギャラリー】見た目、性能、価格のすべてが通常のトラックを上回る!! 重量物運搬用トラクタ メルセデス・ベンツ「アロクスSLT」

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