アリソン、ブリスベン・トラックショーで新型トランスミッションと制御技術を展示

アリソントランスミッション（Allison Transmission）といえば、中型・大型商用車用と米国軍用大型特殊車両用のオートマチックトランスミッション、および路線バスのハイブリッドシステムの世界最大手メーカーとして知られていますが、このところ世界各地で新製品・新技術を立て続けに発表しています。以下は、オーストラリアの「ブリスベン・トラックショー」における同社の活動を伝えるニュースリリースの要約です。

　商業車用オートマチックトランスミッションとハイブリッドシステムの世界最大手サプライヤーであるアリソンは、OEM向け新製品によってオーストラリア商用車市場でのサプライヤーとしての評価を高め続けている。オーストラリアのほぼ全てのトラックOEMが、日本の大手トラックメーカー各社同様、既にアリソン製ATを採用している。5月16日～19日に開催された「ブリスベン・トラックショー」では、各OEMによって販売されているアリソン製品が搭載された各種トラックが展示された。

　アリソン製オートマチックトランスミッションは、ミキサー車や消防車といった緊急用車両、鉱山用車両や特殊車両など、塵芥収集から配送サービスまであらゆる用途で採用されている。
　
　アリソンは先ごろ、オートマチックトランスミッションの新製品を発表した。アリソントランスミッション社オーストラリア セールスマネージャのロバート・カヴァニーノ氏は、ブリスベン・トラックショーが、この最新型トランスミッションを紹介するのに最適な機会であったという。

　「アリソン製ATは、オーストラリア国内では最高の製品としての評価を獲得してきました。その理由は、燃費面での優れた効率性など、製品の優秀さにあります。今年は、OEM各社には理解いただけているアリソン製ATの優れた性能と効率性が、新製品TC10によってトラクタにも拡大されることを大々的にアピールしていきたいと考えています」。

　アリソンでは、重量物の牽引車専用トランスミッションとして、2軸のカウンタシャフトを搭載する10速ATを設計した。アリソンでは、このTC10トランスミッションを、新世代型トランスミッション制御技術と組み合わせて導入したいと考えている。アリソン第5世代型電子制御技術の利用により、あらゆるトラックの燃費を改善し、生産性を向上させることが可能である。この技術はアリソンATラインナップ（2000シリーズ、3000シリーズ、4000シリーズ）とともに、アリソン・ブース（ブリスベン・コンベンション・アンド・エキシビション・センター‐ホール4、ブースAT 6）で展示された。

　いすゞは、オートマチック技術に高い効率性が期待されるオーストラリア市場の要求に応えるために、アリソン製品を搭載したトラックを先日発売した。いすゞの新型FYJ 2000 8×4ミディアムはアリソン製6速4430シリーズを搭載している。また同社は、セメント業界向けの新型車として、FVY 1400と1400ロングミキサーも発売した。両モデルともにアリソン製6速3500シリーズが搭載されている。また、さらに要件の厳しいオフロード車市場向けに開発された、いすゞFTS 800 4×4には、アリソン製2500シリーズが搭載されている。

　三菱ふそうにもアリソン製品を搭載したモデルが追加された。新型FSシリーズには、アリソン製4000シリーズが搭載されている。またファイターFKにも、アリソン製2500シリーズが新たに搭載された。

　三菱ふそうオーストラリア社ゼネラルマネージャのリチャード・エア氏は、「アリソン製品の採用によって、自社製品は性能が改善され、効率性も向上しました。特に数多くの車両を保有するユーザーにとっては、運転や操作の容易性により、ドライバーが運転する車両に馴染みやすいという長所があります」と語り、さらに「三菱ふそうは、6トン車、7トン車、8トン車、12トン車にアリソン製ATを搭載している日本唯一のOEMです。このことは当社ブランドにとって大きなセールスポイントの一つになっています」と付け加えた。

　北米OEM各社の動向としては、フレイトレイナー コロンビアCL112にアリソン製4500シリーズ、またウェスタンスター 4700シリーズにアリソン製3500シリーズがそれぞれ新たに採用された。前出のカヴァニーノ氏は、「事業者やOEMは、幅広いトラック用途において優れた性能と効率性を求めています。だからこそ、事業者やOEMはこれまでアリソン製オートマチックトランスミッションを指定してきたのです。そしてこれからも同じ理由で、TC10のような画期的な新製品を指定することになるでしょう」と語っている。