普通免許を保持していれば誰でも運転することができるいすゞ自動車の「エルフミオ」の通称は「だれでもトラック」。そのエルフミオを大量に導入し、ドライバーの人材確保と働きやすい環境づくりを目的とした福山通運の「トライ・トラック・プロジェクト」がこのほどスタートした。
9月14日には、東京都江東区越中島の福山通運東京主管支店において納車式が行なわれたので、その模様をご紹介しよう。
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
いすゞエルフミオをベースに新機軸のドライバンを架装
まずはエルフミオのおさらいから……。2024年7月に発表されたエルフミオは、普通免許で運転できる車両総重量3.5トン未満ながら、1.9リッターのディーゼルエンジンを搭載しつつ実際的な積載量を確保する本格派の小型トラックである。なおかつトルクコンバータ式6速ATを搭載しているので、AT限定免許でも運転できる手軽さを兼ね備えている。
福山通運では、現在までに36台のエルフミオを導入。今回の納車式には東京管内の30台の車両が集結した。型式は3DF-NHR87AF-EC4LAY-Pで、超低床のフラットロー。
車両諸元は、最大積載量1.1トン、全長5245mm×全幅1890mm×全高2844mmで、これは福山通運が通常使用している2トン車より一回り小さいものの、いわゆる軽量カサ物を積む集配用途のドライバンのため、荷室容積を最大限確保する新機軸や工夫が施されている。
荷室寸法は、当初のスペックの内法長3375mmが3495mmに、同じく内法幅1661mmが1755mmに、同じく内法高1665が1922mmに拡大。特に内法高のアップは特筆される。これにより荷室容積も当初の9.3㎥から11.9㎥に大幅に拡大している。
架装を担当した日本フルハーフによると、このドライバンにはアルポリックというパネルを内装材に用いているのが大きな特徴だ。アルポリックは、ポリエチレン樹脂をアルミでサンドイッチしたパネルで、フロントパネルは3mm、両サイドのパネルには2mmの厚さのアルポリックを使用。軽量で強く、加工もしやすい上、塗装しているので見た目もきれいで明るいパネルだ。
さらに集配用途とあって、荷台の後部にはリアステップとアシストグリップを装備し、荷台への乗り降りをしやすくしている。荷台とリアステップの間には台車を簡単に格納できるようになっており、これも重宝するだろう。荷室の床はアカシアのラミネート材だ。
ちなみに今回の福山通運のエルフミオのキャブの塗色はお馴染みの緑色ではなく、白い塗色に福山通運のラインが入ったものになっている。これは昨今の中東情勢の影響でシンナーなどの入手がむずかしくなり、やむなく納期に間に合わせるため白色キャブとしたものだが、思いの外、エルフミオにマッチしており、参加者からも好評だった。
女性や外国人にも「トラック」の門戸を開く取り組み
エルフミオの納車式では、福山通運の常務執行役員で輸送本部本部長の桑本聡氏から今回のプロジェクトについて、
「弊社は現在、トライ・トラック・プロジェクトと名付けた取り組みを実施しています。このプロジェクトでは、乗りやすい車両の積極的な導入を目指し、ドライバーの働きやすさを第一に考える、ドライバーファーストの会社づくりを目的としています。
今回のエルフミオの導入もその一環であり、女性ドライバーや海外から来日し普通免許を取得された人など、免許の種類にとらわれない人材の採用と安全運転を実現するものとなっています。
また、年明けには4トン、10トンのウイング車につきましてもオートマチック車(AMT車)の導入の方法を予定しており、AT限定免許保持者の方々にも運転の機会を広げるとともに、ドライバーの運転負担軽減にもつながるものと考えています。
どなたでも活躍できる環境づくりを進めることで、今後の人材確保の一助としたいと考えています」と語った。
ついで、いすゞ自動車の国内営業部門の小谷哲司VPから導入のお礼と記念のジャンボキーの贈呈などが行なわれた。
納車式には、インドネシアから来日した3人のドライバーと同じく3人の女性ドライバー(日本人)も出席。エルフミオを使用した積み荷のデモンストレーションや試乗などが行なわれた。
試乗した八王子支店の長橋さんは、「オートマ車がすごくよかったです。あと小回りが利くので都内の細い道などでは走りやすいと思います」と感想を語った。





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