日立建機は2023年、先進的な油圧ショベル技術「P-Line」をドイツの関連会社で開発。このP-Lineを日本国内の展示会などで披露するために開発された特殊ウイング車が「P-Lineプロモーショントラック」だ。一般雑貨を運ぶウイング車ではありえない「重機を運ぶウイング車」の実態に迫る!
文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/編集部、日立建機日本
世にも珍しい油圧ショベルを運ぶためのウイング車
P-Lineプロモーショントラックは全国各地で開催される建機系イベントや展示会に参加し、P-Lineの実機展示やデモンストレーションを支援するために開発された特殊ウイング車だ。
発注者は日立建機日本(日立建機グループの国内販売やレンタル事業会社)、受注者はいすゞ自動車で、ボディ架装は日本フルハーフが担当した。ちなみに日本フルハーフは国内ウイング車のトップメーカーだが、「建機用のウイング車」は前代未聞だったという。
主な積み荷は日立建機の重量3.5トンまたは5.3トンの油圧ショベルで、そのショベルアーム先端に装着するアタッチメントも複数種積載する。いずれも1台または1基の重量が重く通常なら重機運搬車で運ぶような品物となるため、荷台仕様も通常のウイング車とは異なっている。
油圧ショベルの積載に特化した専用設計の荷台
ベース車両はいすゞギガCYJ系4軸低床8×4駆動GVW25トン級シャシー。荷台は油圧ショベルをリアドアから積み降ろしする際にリア門構やセンタービームに接触するのを避けるため、ルーフ部を800mmリフトアップできる日本フルハーフの「ハイリフトウイング」を採用している。
床構造は日立建機日本から提供された油圧ショベルやアタッチメントの形状と重量のデータをもとに、最適な積載位置を算出。その位置を中心に荷台を支える横根太を増設した。さらに急制動時に積み荷が前方に動かないよう枕木を設置することとし、フロアには枕木固定用のスタンションを2対立てられるようにした。
床材は高耐久のアピトン材を採用し、表面に縞鋼板を張って強度を確保。縞鋼板は厚さ3.2mmで、フルハーフ設定品では最も厚い仕様だ。床には油圧ショベルを固縛するための埋込式フックを4対装備。床枠部にはあまり重くない品物を固縛するためのエアラインレールも装備する。
側方アオリは荷台剛性を確保するべく床枠を前後一体にできる2方開を採用。ウイングは外板をフラットパネル、内板をホワイト合板とし、前方は骨増しも行なった。なおウイングとアオリにはラッシングレールも1段ずつ装備。まさに油圧ショベルに最適化したスペシャルウイングボディとなっている。
日立建機のコーポレートカラーであるリライアブルオレンジとブラックの2トーンに油圧ショベルを描いた大迫力にして美しいラッピングは、荷室内にもラッピングを施したこだわりの作品。走行時は目を引く看板として、開放状態ではスタイリッシュなステージとして機能する。なおラッピングは将来リニューアルされる計画もあるそうだ。
【画像ギャラリー】えっ これがウイング車ですか!? 見た目も中身も特殊な「P-Lineプロモーショントラック」のディティールをチェック!(6枚)画像ギャラリー








コメント
コメントの使い方