7月11日のUDトラックスの「新型コンドル発表・試乗会」には同社の竹内覚社長も出席したが、その竹内社長に話を聞いたのが講談社ビーシー出版部のU氏である。U氏は、言ってみれば「フルロード」のお目付役でもあるのだが、現在のように「フルロード」の編集が佳境に入ると、すぐ助っ人を買って出てくれる頼もしい存在で、今回もずいぶん助けられています。そんなU氏に取材記事を寄稿してもらいました。 (キャップ)
記者 「竹内社長、先ほどのプレゼンテーションの場では、エンジンについて自社開発、自社製造という点をかなり強調されていたように感じたのですが」
竹内社長 「そうですかねぇ〜。ハハハハハ。そんなに言っていましたか!?」
記者 「それはもう!!」
竹内社長 「まあマジメな話、トラックというのはそうそうデルチェンジをするわけではありません。今回のコンドルにしても18年ぶりのフルモデルチェンジとなります。ましてやエンジンを完全新設計でフルモデルチェンジするというのは、技術者としてメーカーに入社して、エンジニア人生で一度か二度あるかというとても大きな仕事なんです。今回、自分が社長としてそれに携わることができた、その気持ちが隠せなかったんでしょうな」
記者 「やはりエンジンを自社で一から設計したというのは、違うものでしょうか!?」
竹内社長 「それはそうです。他社さんから技術協力していただいたり、あるいはエンジンそのものを供給してもらうというのは、苦しいときに助けていただいたということで、感謝はしておりますが、やはりエンジンを開発してこその自動車メーカーだと思っています」
記者 「社員全体の士気にも関わってくる!?」
竹内社長 「それはもう、全然違います。開発に携わるエンジニアはもちろんですが、営業部門の社員も含めて、これが自分たちの製品だと、心からアピールできるのですから。しかもこのエンジンがボルボグループの中心エンジンとしてグローバル展開されていく。士気が上がらないわけがありません」
記者 「特に今回はこの4気筒がメインと言うことですよね!?」
竹内社長 「以前は、中型トラックでは6気筒が圧倒的だったんです。比率で言えば8対2くらいで6気筒が主流でした。でも最近では4気筒が主流となってきています。五分五分どころではありません。6対4、あるいは7対3程度で4気筒が主流。当然開発にも力が入りました」
記者 「ダウンサイジングと言うことでしょうか!?」
竹内社長 「はい。パワー、トルクを見ていただければわかると思いますが、現在の4.7L、4気筒215ps、64.0kgmです。私が入社したころの大型用エンジンよりもパワフルです。なら、大きな排気量の多気筒エンジンの必要はないじゃないか、ということです」
記者 「なるほど、ありがとうございます」