第4世代エコピアの「発表会・燃費テスト」から その1

第4世代エコピアの「発表会・燃費テスト」から その1

先日ブリヂストンの低燃費タイヤの「ユーザー発表会・燃費テスト」が行なわれ、本誌もお誘いを受けたので、会場となったお台場の「ホテル日航東京」に行って来ました。

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ブリヂストンの低燃費タイヤといえば「ECOPIA(エコピア)」ですが、エコピアも2002年発売のМ881の初代から2006年の2代目エコピアМ891、2007年の3代目エコピアМ891Ⅱと受け継がれ、今年9月1日に発売されたエコピアМ801で第4代目になるそうです。そのエコピアМ801の最大の特徴は、従来品の汎用ミックスのМ890との対比で、転がり抵抗が36%低減していることがあげられます。ちなみに日本自動車タイヤ協会の資料によると、転がり抵抗の燃費への寄与率は、乗用車の場合、一般市街地走行で7~10%、一定速度走行で20~25%とのこと。トラックの場合はさらにそれより寄与率が高くなるのは確実で、一説には80km/h定速で約40%の寄与率というから、それをМ801の転がり抵抗で計算してみると、14.4%燃費が向上することになります。

「そんなバカな!」と言いたい数字で、これが天下のブリヂストンでなかったら、この業界に溢れる数多の「まゆつば省燃費グッズ」とみなすところ。大体ですね、トラックメーカーは燃費を2~3%向上させるために、それこそ必死の思いでエンジンその他の改良に取り組んでいるし、莫大なコストを掛けてもいるわけですが、本当にそんな数字がタイヤを替えるだけで出るんだったら、トラックメーカーのエンジニアは「もうバカらしくてやってらんない!」と言い出すのではないかと心配しちゃいますね。ま、それだけタイヤの「伸びしろ」が大きいわけで、エンジンなんかと同じように、実はタイヤも重要だってことです。

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さて、そんなエコピアМ801ですが、技術的特徴は大略つぎの3つ。まず1つ目が、新開発の低燃費ゴム「ハイパーエココンパウンド」の採用で、これはフィラー(補強材)の分散状態の均一化により、耐摩耗性能や走行性能を維持しつつ、効果的に低減するというもの。2つ目が新トレッドパタン設計で、これは「ローエナジーパタン」と称するそうですが、ブロック形状と配列を最適化することで、駆動力によるブロック内部変形を効果的に抑制。転がり抵抗の低減と、さらなるウェット性能、加えて耐摩耗性の向上に寄与するそうです。3つ目が「リトレッドインジケータ」の採用で、これは最近ブリヂストンが力を入れている自社台方式のリトレッドの普及促進を図るべく、リトレッドへの交換時期を知らせるサインを、タイヤ周上の4箇所に設けたもの。これによって、従来品のエコピアМ891Ⅱに比べて、転がり抵抗が8%低減し、汎用性能も摩耗ライフ/耐偏摩耗性が同等以上、ウェット性能/静粛性/耐石咬み性が向上したとのことです。 (つづく)

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